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変な音・・・・夏目漱石(やがて食道癌の男が退院した。胃癌の人は死ぬのは諦めさえすれば何でもないと云って美しく死んだ。潰瘍の人はだんだん悪くなった。)

うとうとしたと思ううちに眼が覚さめた。すると、隣の室で妙な音がする。・・・・・ここは病室である。因みに僕は入院した事がない。・・・・・そうして胡瓜の音で他を焦して死んだ男と、革砥の音を羨やましがらせて快くなった人との相違を心の中で思い比べた。(漱石)

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