Monthly Archives: November 2012

速度の合成(Merminの思考実験)

簡単な数学の知識で相対論的な速度の合成則を次の通り導く事が出来る。今、宇宙空間を長さL(後方から先頭まで)のロケット(慣性系とする)が地球(静止系)から見て速度vで飛行しているとする。そこでロケットの後方の同一地点から光とボール(質点)を地球から見てWの速度でロケットの先頭(光が反射出来る様に鏡が置いてある)に向けて同時に発射すると、光はボールを直ぐに追い越し鏡に当って戻って来てボールとすれ違う筈である。ここで光が後方から先頭の鏡に到達するまでの時間をtとし、反射してボールとすれ違うまでの時間をt´とすると、この間ボールの進んだ距離W(t+t´)は、光速をcとすると、ct-ct´に等しい。即ち、 W(t+t´)=ct-ct´ 又、ボールからロケットの先頭まで残った距離をfL(fは0≦f≦1の任意の比とし、観測者に依らない)とすると、光が先頭の鏡まで進んだ距離ctと反射してからボールとすれ違うまでの距離ct´は、ロケットが速度vで進んでいるのだから、 ct=L+vt 且つ ct´=fL-vt´ これ等の関係をLを消去して纏めると、先ず(W+c)t´=(c-W)tから、t´/t=(c-W)/(c+W)であり、次に(c+v)t´=f(c-v)tから、t´/t=f(c-v)/(c+v)である。故に、 f=(c+v)/(c-v)・(c-W)/(c+W) 所で、ロケットが止まっていれば(v=0であれば)、その時のロケット内から見た発射したボールの速度をuとすると、v=0なのであるから、上の式により、 f=(c+0)/(c-0)・(c-u)/(c+u)=c/c・(c-u)/(c+u)=(c-u)/(c+u) 従って、(c+v)/(c-v)・(c-W)/(c+W)=(c-u)/(c+u)、或いは、(c+v)(c-W)(c+u)=(c-v)(c+W)(c-u) これを展開して整理すると、(-2uv-2c²)W+2c²v+2c²u=0となり(※)、移行して纏めると、 2(uv+c²)W=2c²v+2c²uであるから、両辺を2c²で割ってWに就いて解くと、求める結果である W=(u+v)/(1+uv/c²) を得る。詰り、uまたはvがcであればWはcでありW>cはあり得ない。換言すれば、常に W≦c なのである。(合成速度は光速を超える事は無い) (註)※手計算が面倒な場合は、wxMaxima等の数学ソフトを使うと便利である。下記の通り。 (%i4) ratsimp((c+v)*(c-w)*(c+u)-(c-v)*(c+w)*(c-u)=0); (%o4) (-2*u*v-2*c^2)*w+2*c^2*v+2*c^2*u=0 或いは、次を参照。計算結果

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三次元空間の原点から平面までの距離は?

今、x-y-z直交座標に於ける平面の方程式を ax+by+cz=d (a,b,c,d は任意の定数)とする。a=(a,b,c) とし、x=(x,y,z) とすると、当該方程式は、a・x=d と書くことができる。そこで、係数ベクトル a の λ(スカラー)倍、即ち λa  が当該平面上に在れば、a・(λa)=d が成り立つ。よって、 a・(λa)=λ(a・a)=λ|a|²=d 故に、原点から平面までの距離を L とすると、L=|λa|=λ|a|=d/|a| 即ち、 L=d/|a|=d/√(a²+b²+c²) と計算できる。所で、L は当該最短距離である。証明は次の通り。今、任意のベクトル b の κ(スカラー)倍のベクトル κb が当該平面上に在ったとすれば、a・(κb)=d が成り立つ。この時、当該平面上のベクトル κb-λa と λa との内積を計算すると、 λa・(κb-λa)=λ(a・(κb))-λa・(λa)=λd-λ(a・(λa))=λd-λd=0 即ち、これら二つのベクトル κb-λa と λa とは直交していることが解る。故に、係数ベクトル a 方向の原点から当該平面までの距離Lが最短であると言える。 qed. <例>平面 3x+4y+5z=100 のグラフは次の通り。Plane1 そして原点からの距離 L は、 L=100/√(9+16+25)=100/√50≒14.14 尚、原点を通る方向ベクトル a=(3,4,5) の方程式(直線)は、x/3=y/4=z/5 であり、そのグラフは次の通り。Line1(Line1′)

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静止系から慣性系を見た場合の時間は?

静止系から見て速度vで等速直線運動している或る慣性系内のA点からB点まで(両点間の距離をLとする)光を発射したとすると、その慣性系内でのBまでの到達時間t₂は、t₂=L/c (ここで、c は光速)である。この運動を静止系に居る観測者が眺めると、その慣性系は時間t₁の間にvt₁だけ移動した様に見え、Aから発射された光は、その間ct₁だけ進んでBに到達した様に見える筈である。従って、ピタゴラスの定理より、次の関係が成り立つ。即ち、 (ct₁)²=(vt₁)²+L²   i.e.   t₁=L/√(c²-v²) ∴ t₁=1/√(1-(v/c)²)・(L/c)=1/√(1-(v/c)²)・t₂ よって、t₂=√(1-(v/c)²)・t₁ これは、v(静止系から見た慣性系の運動速度)の値によってt₂(慣性系の時間)の値が変化する事を意味している。例えば、vが光速cの90%だったとすると、v=0.9cであるから、 t₂=√(1-0.81)・t₁=√(0.19)・t₁≒0.44t₁ 即ち、慣性系の時間t₂は、静止系の時間t₁の約44%の値になる(時間が遅れる)と解釈できる。詰り、この場合、例えば静止系で1時間経っても慣性系では約26分しか経っていないのである。

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ロトカ・ヴォルテラの方程式

捕食者と被食者とから成る一つの生態系を次のモデルとして考える。 <モデル>xを被食者の個体数、yを捕食者の個体数、αをxの増殖率、βを捕食率(xは捕食されることだけで死亡するとする)、γをyの死亡率、δを生態系の拡大率とすると、次の連立微分方程式(ロトカ・ヴォルテラの方程式)で当該モデルを表す事が出来る。 dx/dt=αx-βxy, dy/dt=δxy-γy ここで、dy/dx=(dy/dt)・(dt/dx)=(dy/dt)・1/(dx/dt) であるから、変数を分離して纏めると、 ∫(α-βy)/y dy=∫(δx-γ)/x dx + C 、(Cは積分定数) として解く事が出来る。即ち、 α∫1/y dy – β∫dy = δ∫dx – γ∫1/x dx + C ⇒ αlogy – βy = δx – γlogx + C log(y^α ・ x^γ)=δx+βy+C  i.e.  y^α ・ x^γ=exp(δx+βy+C) ∴ y^α ・ x^γ/exp(δx+βy)=expC 所で、これはどの様なグラフになるであろうか?今、簡単の為に、C=-3とし、α=β=γ=δ=1としてグラフを描くと次の様になる。Lotka-Volterra1 or WolframAlfa 但し、x , … Continue reading

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楕円体

楕円体 x²/2+y²/3+z²/4=1 のグラフは、z=±√4(1-x²/2-y²/3)であるからz=2√(1-x²/2-y²/3)(上半分のみ、下半分は省略)を描けば(wxMaximaを使用した)次の通りとなる。楕円体

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